新天門橋(仮称)工事 熊本天草幹線道路の道路(みち)づくり

工事の概要

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熊本天草幹線道路の工事について

  

<新天門橋(仮称)工事の概要>

新天門橋(仮称)」は、熊本県にある天門橋の北側に架かる橋梁です。橋長463m、アーチ支間350mで、三角ノ瀬戸(上天草市宇城市)を一跨ぎします。側径間は、鋼・PCの複合構造となっており、完成すればソリッドリブ形式のアーチ橋では国内最大の橋梁となります。

 

◆工事概要

路線名 国道266号
工事場所 熊本県上天草市大矢野町登立~熊本県宇城市三角町三角浦地内
工事名 国道266号交通円滑化改築(新天門橋)工事
橋梁形式 ソリッドリブ中路式鋼PC複合アーチ橋
橋長 463.0m
支間 48.0m + 362.0m + 53.0m
幅員 9.5m
工期 平成25年3月22日~ 平成30年3月26日

 

◆架設工法

アーチ部 「ケーブルエレクション斜吊工法」
補剛桁部 「台船曳航直下吊工法」
PC桁部 「バランシング張出工法」

 

◆全体一般図

全体一般図

 

<工事位置図>

 

「新天門橋(仮称)」は、熊本県上天草市と宇城市の間の三角ノ瀬戸を結びます。

熊本都市圏等と県内主要都市を自動車交通により90分結ぶ構想で進められている「熊本天草幹線道路」の一部となります。

 

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<設計概要>

 

◆上部構造

「新天門橋(仮称)」はコスト縮減を図るため、耐荷性能および耐久性に優れた構造である「ソリッドリブ形式」の鋼・PC複合構造アーチ橋にしました。鋼桁は、維持管理性や耐久性の観点から鋼箱桁を採用しています。

また、PC桁は、橋台上で浮き上がらないように、柱頭部の桁高を高くするなどの重心を下げる工夫をしました。

 

◆下部構造

橋脚は、温度変化の影響が大きいため、I型断面とすることで剛性と断面力のバランスを図りました。上・下部構造の支持条件は、維持管理性や構造の合理性から、端支点を除く全支点において剛結構造としています。

また、接合部や交差部は、模型やCGにより可視化するとともに、FEM(有限要素法)解析により、細部構造を決定しました。

 

<アーチの橋の種類と形式 >

◆アーチ橋の種類

 

◎ソリッドリブアーチ 【採用】

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◎ブレーストリブアーチ

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アーチリブの断面が棒状あるいは桁と同じように“面”で構成されているもの トラス構造により構成されているもの
◎スパンドレル・ブレーストアーチ

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◎ニールセン形式アーチ

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アーチリブと橋床を含む面全体がトラス構造により構成されているもの アーチリブから橋床を吊るす吊材を綾状に組んだもの

 

◆アーチ橋の形式

 

◎下路式アーチ橋
アーチの下に道路等の路面を配したものを「下路式アーチ」といいます。
[代表例]
大矢野橋(天草2号橋)
橋長:249m
桁下高:17m
完成:昭和41年
下路式アーチ橋

 

◎上路式アーチ橋
アーチの上に道路等の路面を配したものを「上路式アーチ」といいます。
[代表例]
松島橋(天草5号橋)
橋長:178m
桁下高:17m
完成:昭和41年
上路式アーチ橋

 

◎中路式アーチ【採用】
「上路式アーチ」と「下路式アーチ」の中間に位置するものを「中路式アーチ」と言います。今回は中路式アーチの形式をとっています。上路式アーチでは構造高が高く、それに伴い道路面も高くなり過ぎてしてしまいます。下路式アーチでは支間長(支柱と支柱の間の長さ)を短くするために、海上に橋脚を設置しなければならなくなるためです。
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<上部工の架設概要>

天門橋と高圧電線との制約から、アーチリブの架設は「ケーブルエレクション工法」を選定しました。
また、アーチリブ架設後に補剛桁の架設を行うため、補剛桁の架設は「台船曳航直下吊架設」を採用しました。

 

◆STEP1 橋脚及び柱頭部の施工

桟橋からコンクリートを打設し、橋脚を立ち上げていきます。PC桁の架設(張出工法)、補剛桁の架設(台船引航直下吊架工法)

 

◆STEP2 アーチリブ下段の架設 (ケーブルエレクション斜吊工法)

斜吊ケーブルを張りながらアーチリブを中央に向かい張り出していきます。アーチリブ下段の架設 (ケーブルエレクション斜吊工法)

 

◆STEP3 アーチリブ上段の架設 (ケーブルエレクション斜吊工法)

斜吊ケーブルを張りながらアーチリブを張り出していき、中央ブロックを落し込み、アーチリブを閉合します。アーチリブ上段の架設 (ケーブルエレクション斜吊工法)

 

◆STEP4 PC桁の架設(張出工法)、補剛桁の架設(台船曳航直下吊架工法)

PC桁を橋脚から張り出していくのと同時に、5ブロックの補剛桁を台船から吊上げてつなぎ合わせていきます。橋脚及び柱頭部の施工

 

<橋梁選定の概要>

◆デザインコンセプト

周辺環境に調和するとともに、現・天門橋の「繊細でありながら、緊張感を内在する力強さ」を損なわないよう配慮しました。また、対比的に技術の進歩が見てとれる構造を選定しています。地域に新しい物語が生まれる魅力的な橋を創造します。

 

◆橋梁形式の比較

航路(航路幅200m、高さ42m)を跨ぐ長大橋として、耐風性や耐震性に優れた構造形式の中から、「経済性」「構造性」「施工性」「景観」を考慮し、今回は下記3案から「鋼アーチ橋」を選定しました。

 

◎鋼トラス橋
現・天門橋と同じ形式のトラス橋。並列橋として調和していると言えます。しかし、現橋との対比において、技術的進展が見てとれず、トラス部材の煩雑が懸念されます。また、塗装の塗り替えなどの維持管理費が他案と比較して高くなります。
鋼トラス橋

 

◎複合エクストラドーズド橋
本形式は、ここ10年ぐらいの間に急速にその技術を発展させてきた新しい橋梁技術の1つです。その意味で、トラス橋と並列させて、技術進展が見てとれる形式です。施工面から見ても合理的なその姿は、簡素な構造美を有しています。維持管理費用は、鋼PCアーチ橋とほぼ同等ですが、大規模地震時に損傷が想定される橋脚基礎部分は海中深い箇所になるため、維持管理の難しさが懸念されます。
複合エクストラドーズド橋

 

◎鋼アーチ橋 【採用】
構造物そのものの美しさと、海峡部の地形にしっくり納まる姿は、比較3案中、最も優れています。繊細な直線部材を組み合せる現橋と、比較的存在感のある箱桁断面のアーチリブが構造の主要部分をになう本橋とは、形式が異なりますが、対比という観点では鮮明な関係を形成しています。また、本案は比較案中、唯一、瀬戸を一跨ぎにする案で、瀬戸を伸びやかに渡るイメージにおいて、現・天門橋の良さを引き継いでいます。
鋼アーチ橋 【採用】

 

◆鋼アーチ橋を選定した理由

 

1.地形に納まる美しさに秀でるという素質に優れ、経済的にも優れている。
2.三角瀬戸をひとまたぎする姿は、地形の状況や並列の関係において調和し、長大支間橋として技術的進展が見てとれる。